「ビクター伝説のエンジニアの話」

Music

マスタリング作業が続いております。曲によってはミックスまで戻って、ソースごとにプリアンプでリアンプしたりしてますが、この際、TUBEプリアンプDrawmer 1960とソリットステートプリアンプChameleon labs 7602 mkiiを使い分けています。TUBEはその名の通り真空管ですが、通すとハリがありつつ滑らかな音になり「路地裏のli li」ではこちらを選択しました。ソリットステートはクリアかつ前に出てくる音になります。「千川ストリート」のボーカルは少し前に出したかったので、こちらを選択。

この二つの選択が非常に悩ましい。少し前の音源は撮りの段階でハイを強めに録ってるので、トータルの2MIXのオケにかけるのはDrawmerの方が好ましい結果になっている気がします。もちろん、必要無ければ何も通さずそのまま使用しています。

いつも思うのですが、こういった作業を何時間もぶっとおして出来るエンジニアさんは本当に凄いと思います。ビクタースタジオ時代、よくご一緒させていただいた安田さんと言う方の集中力はそれはそれはすさまじく、レコーディングの合間に休憩で外に出て帰ってきたらその真剣な表情にブースのドアを開けるのをためらったほどでした。まさに全神経を「音」に向けている瞬間。25K以上の帯域も存分に聞こえているんじゃないかと思うほど。培われた耳と感覚でプロの仕事をやっている、本当に尊敬の出来る方でした。

余談ですが、こういった機材のスイッチが好きで、意味もないのにパチパチやりたくなります。意味が無いのでやらないよう努めてますが。

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